グループ展@青山見本帖

紙の専門商社・竹尾の青山見本帖にて、デザインのグループ展を開催する。というかもう開催してまして、今更記事書いててお恥ずかしい…(なんなら明日が最終日だし)

竹尾が主催する若手・中堅のクリエイターを対象とした勉強会に、去年の4月より参加していた。月一で印刷工場に見学に行ったり、紙や印刷の専門家のお話を聞いたりした。その集大成としての展示発表である。

百戦錬磨のクリエイターたち各自の解釈による作品をお楽しみいただけるかと。

展示風景(青山見本帖のFacebookより引用)

箔押し印刷の最高峰・美箔ワタナベさんの工場見学に行った際、その精度、そして箔の美しさ・インパクトに魅了され、これは絶対箔押し印刷で作品を作るぞ!と早々に決め、デザインや予算や加工を検討してきた。

そこで一番気がかりになったのはやはり、箔押し加工は費用がかかるということ。普通の印刷の数倍はかかる。箔押しというのは版(金型など)の面積に応じて費用が大きく変わる。B1ポスターの全面を箔押しするとなると、おそらく数十万はかかるだろう。そこを工夫でクリアしたら面白いのではないか。

そこで考えたのが、一つの版を一枚のポスター上で何度も使いまわし、版代を抑えつつインパクトを出せないか、というアイデア。一つの版で、箔の種類(金箔、銀箔、カラー箔など箔の種類は100種類にも及ぶ!)を変えて、紙と箔の組み合わせを楽しんでいただけないか、という趣旨である。

最後まで迷いながらもなんとか案を1つに絞る。そこから実制作に入る。まずはB1サイズを作って、そのサイズ感を体感。この現物を意識するというのは大事である。チラシならA4、パンフレットもだいたいA4、名刺なら名刺のサイズ感、現物を脇に置いて意識するのが着実な仕上がりにつながる。

B1サイズを手作りする

 

とはいえB1は初めてなので、なかなか全体像、見え方がつかみ辛い。そういう時ほどさっさと手を動かしていわゆるPDCAサイクルを回すのが大事。一見遠回りなようで一番早い。でも何も見えない状態で作業するのは雲をつかむようで、辛い。 

モチーフは東京のビル群。なぜだか知らないが自分は小さい頃からマンションやオフィスビルを眺めるのが好きだった。個々の建築が好きなのではなく、全体としての街景が好きなのである。ゲームでは『シムシティー』や『A列車で行こう』が好きだった。

 

 ビルをどう描くか、真正面から見た正面図法的に描くか、斜め上からのアクソノメトリック図っぽく描くか。ベタ面をどれだけ取るか、罫線の細さはどれくらいがいいか…など検討したいことは多い。

忘れてはいけないのが、紙である。パソコン上だけでは分からないのが、この紙選びである。とくに今回は紙の専門商社・竹尾の主催する展示である。紙と加工とデザインの組み合わせをぜひ楽しみたい。

とか何とかやってできあがった版下がこちらである。

1つの版を11回押すというアイデアである

 

 

美箔ワタナベさんでの工場立ち合いについては後日書きます!

2020年あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。

毎年年賀状を自作しております。年賀状発行数は右肩下がり、企業も虚礼廃止させていただきます、という世の中ですが、グラフィックデザイナーである私にとって年賀状というのはクライアントワークではないデザインをするあまりない機会なので、毎年年末にひいひい言いながら取り組んでいる。

自分はお酒とかタバコのパッケージの、ああいうソリッドでカッチリしてそして世界観があるデザインに憧れがある。またアートではソル・ルウィットダン・フレイヴィンの無機的で、しかし堂々たる物理的存在感の作風に憧れる。

まあそこまでとは言わなくても、なんか文字と線だけで構成できないかなー、と。そして正月や干支モチーフを安易に使いたくないな、他と差別化したいな、と思っている自分がいる。

いろいろ試してみた。やっぱりいかにも正月みたいな赤は使いたくなかった。でもいくらなんでも暗すぎるな。あと全くのノーコンセプトは作ってて辛いな、筆が進まんな、とも思った。

うーん、2020か~、二千二十、ニセンニジュウか~…よし、二線二十、2つの線を20セット使おう!としょーもないダジャレコンセプトが浮かんでしまった。

用紙も迷った。ソリッドさを際立たせる塗工紙系、あえての手触り感マーメイド系、その中間…

いくつか検討して、結局NTラシャのグレーに決定(ネズミ色ということで…)。

 

印刷はEP印刷さんにお願いし、台湾の工場で箔押ししていただきました。

入稿データ。ツヤありの銀箔押しは「亮銀」、ツヤあり黒箔押しは「亮黒」って言うんですね

 

年末で工場も忙しい時期ですが、なんとかご対応いただき、届いたのがこちら。

線は銀の箔押し、文字の部分は黒の箔押しです。銀の箔押しとオフセットスミ1色のつもりでしたが、この場合黒も箔押しの方が安くなるとご提案いただき、まさかのダブル箔押しに。さりげに豪華。宛名面に一筆一筆メッセージを手書きし、毎年年賀状をやり取りしてる方を中心に送らせていただきました。(大晦日に…)

出来上がった年賀状が自分らしいのかどうかはわからないけどとても良いトレーニングになりました。自分自身のクリエイティブ・エゴというのは抑えるばかりではデザインに活力が無くなってしまうような気がします(たとえクライアントワークでも)。こうしてたまにはデザイン学生の頃のように独りよがりなデザインをしてみるのも必要かと思います。

 

大晦日に年賀状投函後、実家に帰省しました。年を越してすぐ家族で近所の神社に初詣、やはり東京に比べて星がよく見えるなあと夜空を眺めてたら一筋の明るい流れ星を見ることができました。雌伏の時を終え、今年は開花の時期にしたいと思います。

今年もよろしくお願いします!

 

 

追記:紙の専門商社、竹尾さんの見本帖本店(神保町)にて開催中の「クリエイター100人からの年賀状」展にて私の年賀状も展示していただいております。ぜひご覧ください。

https://www.takeo.co.jp/exhibition/mihoncho/detail/20200128.html

五十音順の展示のおかげでけっこういい場所に置いていただいてます