グループ展@青山見本帖 印刷立ち合い

日本を代表する箔押し加工専門会社、美箔ワタナベさんへ印刷立ち合いにお伺いしました。

久しぶりの印刷立ち合い。予算の都合上か校正刷りすら出さない昨今ですが、やはり現場に足を運ぶのは大事と実感いたしました。特に今回は特殊加工の立ち合い。発見が多く、大変勉強になりました。

以下を参考にしていただければと思います。

●箔押し加工の当日立ち合いでできること:箔の種類の変更、箔を押す強さ・温度の調節

●できないこと:版の修正。版はもう出来上がっちゃってますからね。

●できるかできないか場合による:用紙の変更。在庫があればいけるか…?

版を押す強さと温度で、箔のヌケとムラが変わってきます。しっかり押せばベタ面のムラは出てきません(うまくいかないとピンホール的な微細な穴が出てくる)。しかしその分細い線や輪郭のヌケ(くっきり感)が甘くなってしまいます。

これがムラ。本来はベタなデータだが、どうしても均一に剥がれてくれない
うまくいった例。細い線はくっきり、ベタ面はペッタリ

試し刷りを何度かして問題点を抽出します。ここで大事なのは、この最終段階においては全てを解決するのではなく、何を活かして何を目立たなくさせるかという取捨選択です。今回の例でいえば、線をくっきりさせるか、ベタ面をキレイにするか、です。黒い用紙だと箔とのコントラストでムラが目立つけど、白い用紙だとコントラストはあまり無くムラは目立たないので、じゃあ多少のムラは出てもいいので線をくっきりさせてくださいという判断になります。逆に黒い用紙は線のくっきりはあきらめて、ムラは出ないようにしてください、となります。

しかし印刷した現物はほんと素晴らしい。デザイナーが作った版下に最後の魔法をかけてくれるのは印刷です。自分が作ったデータが顕現されるときはいつも新鮮な喜びを感じます。

溜息ものでした
試し刷りですが、箔にまた別の箔が押されるとウットリするような世界が現れる
妖しくミステリアスなレインボー箔
ビルとそのテクスチャーの相互作用が世界を生む

グループ展@青山見本帖

紙の専門商社・竹尾の青山見本帖にて、デザインのグループ展を開催する。というかもう開催してまして、今更記事書いててお恥ずかしい…(なんなら明日が最終日だし)

竹尾が主催する若手・中堅のクリエイターを対象とした勉強会に、去年の4月より参加していた。月一で印刷工場に見学に行ったり、紙や印刷の専門家のお話を聞いたりした。その集大成としての展示発表である。

百戦錬磨のクリエイターたち各自の解釈による作品をお楽しみいただけるかと。

展示風景(青山見本帖のFacebookより引用)

箔押し印刷の最高峰・美箔ワタナベさんの工場見学に行った際、その精度、そして箔の美しさ・インパクトに魅了され、これは絶対箔押し印刷で作品を作るぞ!と早々に決め、デザインや予算や加工を検討してきた。

そこで一番気がかりになったのはやはり、箔押し加工は費用がかかるということ。普通の印刷の数倍はかかる。箔押しというのは版(金型など)の面積に応じて費用が大きく変わる。B1ポスターの全面を箔押しするとなると、おそらく数十万はかかるだろう。そこを工夫でクリアしたら面白いのではないか。

そこで考えたのが、一つの版を一枚のポスター上で何度も使いまわし、版代を抑えつつインパクトを出せないか、というアイデア。一つの版で、箔の種類(金箔、銀箔、カラー箔など箔の種類は100種類にも及ぶ!)を変えて、紙と箔の組み合わせを楽しんでいただけないか、という趣旨である。

最後まで迷いながらもなんとか案を1つに絞る。そこから実制作に入る。まずはB1サイズを作って、そのサイズ感を体感。この現物を意識するというのは大事である。チラシならA4、パンフレットもだいたいA4、名刺なら名刺のサイズ感、現物を脇に置いて意識するのが着実な仕上がりにつながる。

B1サイズを手作りする

 

とはいえB1は初めてなので、なかなか全体像、見え方がつかみ辛い。そういう時ほどさっさと手を動かしていわゆるPDCAサイクルを回すのが大事。一見遠回りなようで一番早い。でも何も見えない状態で作業するのは雲をつかむようで、辛い。 

モチーフは東京のビル群。なぜだか知らないが自分は小さい頃からマンションやオフィスビルを眺めるのが好きだった。個々の建築が好きなのではなく、全体としての街景が好きなのである。ゲームでは『シムシティー』や『A列車で行こう』が好きだった。

 

 ビルをどう描くか、真正面から見た正面図法的に描くか、斜め上からのアクソノメトリック図っぽく描くか。ベタ面をどれだけ取るか、罫線の細さはどれくらいがいいか…など検討したいことは多い。

忘れてはいけないのが、紙である。パソコン上だけでは分からないのが、この紙選びである。とくに今回は紙の専門商社・竹尾の主催する展示である。紙と加工とデザインの組み合わせをぜひ楽しみたい。

とか何とかやってできあがった版下がこちらである。

1つの版を11回押すというアイデアである

 

 

美箔ワタナベさんでの工場立ち合いについては後日書きます!