名古屋ギターフェスティバル2018

世界でもトップクラスのギタリストを名古屋の地で観られる。それが名古屋ギターフェスティバル(以下NGF)の最大の売りである。昨年はフランスのガブリエル・ビアンコが観客を魅了したが、今年もゲストが負けず劣らず驚かせてくれた。

ポスターもデザインしました。遠くからでも存在を感じてもらえるようにと…
チラシ。ラックの中でもキャラ立ちするように作りました

今年の出演ギタリストはデュオ・グラッチオ(伊藤兼治、高須大地)、生田直基、松本大樹、Tengyue Zhang、徳永兄弟、クピンスキ―ギターデュオの6組9名であった。全員素晴らしかったが、なかでも個人的にはTYことTengyue Zhangにはド肝を抜かれた。

TYは中国出身で現在ニューヨークの超名門ジュリアード音楽院に在学し、昨年ギターコンクールの最難関GFA国際ギターコンクールを制した今ノリに乗っている若手ギタリストである。今回目の当たりにしたその演奏は、パワフルで正確、そして紳士的。みんな大好きタンゴ・アン・スカイ(R.ディアンス)では楽しい気持ちにさせてもらった。続くスクリャービンの主題による変奏曲(A.タンスマン)では小さな音もしっかり聴かせてくれた。そしてその静かで充実した余韻…からのブエノスアイレスの春(A.ピアソラ)! もちろんアサド編曲! この難曲をトップギアでぶっぱなす度胸、技術力。私はもともとブエノス春がとても好きで、原曲もいいがギター演奏も好きでいろんなギタリストの演奏を聴いているが、その中でもTYのブエノス春は至高であった。現在彼のCDでもYouTubeでも録音は存在してないみたいなので、これを聴けた私は幸運であった。また聴きたい! 続く無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第二番よりシャコンヌ(J.S.バッハ)、これまたド定番しかし難曲。楽器の種類を問わず幾多の演奏家がレパートリーに加えている曲だが、TYはTYのシャコンヌを聴かせてくれた。こちらはCDに収録されているのでぜひお買い求めの上聴かれることをおすすめする。すべてはここに記してないが、今回のプログラムは盛沢山。すべてがメインディッシュ。若さっていいな…と思った。

参考までに彼の演奏動画を。スカルラッティのソナタ。

彼の演奏はあまりクセが無く、個性的という感じではない。それだけ曲に対して真摯であるということなのだろう。いずれにせよ大きな才能を目の当たりにして大いに感動した。また日本に来てほしい。(イベント後に少しお話させてもらったが、真面目で陽気な若者だった。日本語を少しづつ勉強してるとのことだが、その習得スピードも速いみたいで驚いた。)

なんと! TYのwebサイトからアランフェス協奏曲がダウンロードできる! 是非訪れたし!

飛ぶように売れたTYのCD

 

NGF夜の部は徳永兄弟とクピンスキ―ギターデュオが最高に盛り上げてくれた。

徳永兄弟はフラメンコギターの天才デュオである。てっきりNGFはクラシックだけのイベントだと思ってたのだが、フラメンコギターの演奏家も招聘するみたいである。クラシックギターの王道をゆくTYの後に聴くと対照的で、クラシックとは違う悦び、違う光景を感じさせてくれた。彼らの演奏に自由さを感じた。逆にクラシックはともすると楽譜をなぞることに縛られているような気すらしてくる(もちろんフラメンコも楽譜があるのだが)。素人考えで言わせてもらえば、クラシックは何というか“完璧”を追求する崇高な営みのように思うのだが、フラメンコは月並みな言い方だが“情熱”を表出する行為のように思う。加えて言えばフラメンコは“場”の意識が強いように思った。聴衆も同じ舞台にあがって聴いているような…もともとフラメンコダンスの伴奏ということもあるのだろう。

そしてクピンスキ―ギターデュオ(今回のポスター&チラシを飾ってもらいました)。ロングスカートのエヴァ(美人)が舞台袖から入ると一瞬で会場が華やかさに包まれた(もちろんダリウスも舞台映えするのだが)。当たり前だけどめちゃウマデュオでした。そしてエンターテイナー。きっちり楽しませてくれました。ラプソディーインブルー、ギターは小さなオーケストラとは言うけれど、小さなオーケストラが2つ組み合わさったらどうなる? 軽やかで華やかで、自由自在。それはそれはうっとりするような時間でした。

超一流演奏家を同日にこんなに聴くことは無い、そう断言できる音楽イベント『名古屋ギターフェスティバル』。私もビジュアル面で携わらせてもらってるが、もっとこのポテンシャルを発揮できるようデザインでバックアップしていきたいと思います。

https://guitar-fes.nagoya/

 

会場では名工によるギターを試奏できる

 

※追記

NGFサイトにて私の書いた記事を掲載していただきました。

「NGFロゴマークの秘密に迫る!」

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