北京・798芸術区。コンビニギャラリー。

798芸術区はかつては軍需工場をはじめとする広大な工場地帯だったのだが、いつぐらいからか芸術家達が集まり始め、2000年代からギャラリーやアトリエが集積する一大アートエリアとして知られるようになった。ニューヨークのソーホーに例えられることも多いが、年を経るにつれ観光地化されていき、アートというよりエンターテイメントの要素が強まって行ったようにも思う。私が初めて訪れた2010年の時点で有名な観光スポットだったが、それでも若い貧乏なアーティストが共同アトリエで制作に励んでいる姿を見かけたものであった。安宿もエリア内にあり、そこのドミトリーの3段ベッドの一番上を私、その下2つを美大を卒業したばかりの2人が使っていた。彼らとは一緒に食事に行ったり、作品を見せてもらったりなどしていた。またここに来れば会えると思っていたが、その宿は次の年には無くなっていた。

まあそんな思い出話はいいとして、かつての超巨大トキワ荘は依然アートの発信地であり続けてはいるが、観光地化も著しい。その一方でテクノロジーの先端エリアの様相も垣間見せる。エリア内にはドローンで有名なdjiのショップや、ヒュンダイのブランド体験スタジオ、隣の751デザインパークにはアウディとフォルクスワーゲンの研究所がある。

いろいろ先端のものが集まっているみたいだが、その中でも「これは!」と思ったのが、“コンビニギャラリー”である。まずは写真をご覧いただきたい。

     

「24時間 Lin 隣家便利店」という名前のようである。そしてその下に「Songyang art + collection」とある。最初これはこういうインスタレーション作品なのかな、と思ったのだが、どうも本当にコンビニらしい。

ご覧の通り、コンビニはコンビニなのだが、壁に何枚も絵が飾られていてまるで展覧会のようである(絵の前に商品を置いているのが雑だが)。近年日本でもコンビニがフィットネスジムやコインランドリーを併設するなどのトレンドがあるが(ちなみに神保町には卓球場の併設されたファミマがある)、アートギャラリーとのコラボとは…面白い。ギャラリーを兼ねているカフェなどは多いが、コンビニで絵を見るという発想は全く無かった。みんながみんな絵を見るわけではないし、そもそもコンビニはじっくり絵を見る場所ではないが、生活の場にアートが存在するというのが大事だ。アートは置かれるだけで場の空気を変える力がある。ぜひ日本でも始めてほしい。儲からなさそうだがコストもかからなさそうだし。

あと他に面白かったものを少しばかり。

これはコンビニギャラリーではなく、コンビニっぽいアートである。農夫山泉という国民的ミネラルウォーターがあるのだが、それに重金属が混入していたニュースをモチーフにした社会派アートである。詳しいことは知らないが、金にもならないことをチャレンジするのは大したもんだ(適当)。

工事中の一角の外壁、近づいてよく見るとなんと麻雀牌。なんと馬鹿げたアイデア。見た瞬間とても嬉しくなってしまった。ちなみに中国の麻雀牌は日本のより少し大きい。

上の部分はダイスというこだわり。しかし一体何のテナントが入るかは知ることができなかった。流石に賭博場ってことは無いと思うが…

 

最近はエリア北側にある草場地芸術区の方がアートスポットとしてはあまり観光地化されすエッジが立っているとも聞く。また、798芸術区に隣接する751デザインパークは工場好きの人にはたまらない場所である。751デザインパークは今回訪れたので、いずれ写真をつらつらと掲載したいと思う。

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